2009年4月21日火曜日

ラーメンズ第17回公演『Tower』

 観てきました!!

 初めての生ラーメンズ!
 初めての生コバケン!
 初めてのサンケイホールブリーゼ!

 そうです!軽く道に迷いました!何千回と梅田には行ってるのに!まぁいいや。


 コバケンのつくる物には、世間で言われている"シュール過ぎる"もの(ポツネンのように広い意味での笑い、驚きに近い)もあれば、もっと解りやすいもの(テレビに出てやってたような一般的な形式での二人コント)もあり、コバケンパワー全開だと大笑いできないし、解りやすいだけでも物足りないし、と言う感じで、『ポツネンだと高尚過ぎるし、エレ片だと俗過ぎるし』と思い、今回のラーメンズもそのバランスの問題はどう調整されているか?と毎度の事ながら心配し過ぎて、ドキドキしながら会場に向かいました。
 今回の舞台は解りやすさい方向に体重がついた、実にバランスのとれた舞台だったように思います。『箱』『言葉遊び』というラーメンズの基本的な部分をフルに活かしたと言う点でも、今回の舞台は最高でした!

 おもしろかったー!
 おもしろかったー!

 ※大事な事なので二回言いました


 物販で『おしり』『ジンダム』買いました。ギリジンのサイン入りだー!




 以下若干のネタバレと言うか長い長い駄文。






 『日本語学校』はラーメンズの初期の傑作コントとして有名で、片言で喋っておもしろい感じで単語を連呼する様は上記にある“解りやすい笑い”の様にとらえられがちですが、このネタこそラーメンズの『言葉遊び』の原点と言えるのではないでしょうか。
 昔マルセル・デュシャンという人が便器に『泉』というタイトルを付けて芸術作品として出展した事があります。レディ・メイドというヤツです。『泉』や『レディ・メイド』の説明は省きますが、『日本語学校』という作品は“言葉のレディ・メイド”と呼べる物ではないでしょうか。
 『泉』の写真を初めて見た時、既製品の何かである事は解りましたけど、便器である事には気付かず、「これが何であるかは置いておいて、この形は美しい」と思いました。つまり、便器であるという情報抜きに、純粋にこの造形を見れば、そこに『美』がある、『美』を感じる事が出来ればそれはすなわち『芸術作品』であり、既製品を特定の作者(便器をデザインした人ではなく!)が『芸術作品』として発表するのは、その既製品が本来の意味を無視しても『美しい姿をしている』という発見に対して、芸術家としての対価が支払われるのです。(文法から外れたときどう働くのか?という問に対する発見)

 これを『日本語学校』に置き換えてみると、『茨城』を巻き舌で発音すると、なんだかイタリアっぽくなったり、『新橋』を力強く発音すると、なんだか強そうで、言葉の意味抜きに『音』としてとらえた場合、『地名』ではなく、『外国の人が聞いたらなんだかスゴいと思ってしまうような言葉』になってしまうわけです。

『甘くておいしいのに悪の提督みたいなのってなーんだ?』『ゴディバ〜!』

 これは日本人が意味もわからない英語のシャツを着たり、外国の人が、意味も解らず漢字やカタカナのタトゥーを入れて、『COOL!』といっているのと同じ事です。
 以前、腕に『台所』というタトゥーを入れたアメリカ人の話を聞いた事があるのですが、彼は『台所』が『kitchin』という意味という事も知らず、『台所』という漢字の姿形が『COOL!』だと感じたからタトゥーを入れたわけです。これは言葉の意味を離れた時の言葉がどうなるか?という良い例だと思います。


 そもそも、言葉の響きからその言葉がどういう物を指すのかが何となく伝わる事があります。商品開発でもよく使われる手段で、食べ物なら『意味は分からないけどなんだかおいしそう』、車なら『聞いた事無い言葉だけどなんだか速そう』な言葉を商品名に選びます。『ガンダム』『ゲルググ』って言葉からは角張ってて強そうな感じ、『ZII(ゼッツー)』『カウンタック』はなんだか速そうな感じが伝わってきます。
 GとBの音からはゴツゴツして強そうな感じ、KやTの音は歯切れの良い感じ(破裂音)があります。MとNの音は柔らかい感じがするし、Pの音からはコミカルな印象を受けます。


 例えば『おっぱい』という言葉は力が抜ける言葉は力抜ける度一位だと思います。異国の地で瓦礫の下の子供を助けようとしてる人の耳元で優しく『おっぱい』とか『みゃーみゅーみょー』と言うだけで、恐らく大惨事になるので真似しないでくださいね。逆に『せーのっ、ガン!ダム!』という掛け声と共に瓦礫を持ち上げれば、子供は助かりますね。良かった良かった。(『おっぱい』に関しては日本語で乳房を意味するので、文化的な意味合いも関係してくるのですが、飽くまで例えの一つですので)

 『ゲルマン民族大移動』は駄目押しのようにDの音が続くからなんだか強そうな響きだし、『オクラホマミキサー』はプロレス技にしか聞こえない、というのも言葉のおもしろさで、これは『kitchin』という意味を知らずに『台所』をCOOLに感じるのに似ています。

 結構言い方によって印象は変わる物の、ボクが考える、言葉の意味から外れた時の力に対する考えは以上のような感じで、ラーメンズの言葉遊びは、こういった類の物が度々登場します。(文章として纏まってないけど、どうせ誰も読んでないからいいやー)
 という事を半年程前電車で考えていたら、あっという間に目的地に着いていました。

 で、『Tower』では上に書いたような会話が登場して、『おお!コバケンがボクと同じ事言ってる!』と心の中で感激したのですが、そもそもラーメンズの話からそういった事を考えるに至った訳ですから、順番としては逆ですね!(特にカウンタック、ボルボはそれっぽいなぁとずっと思ってました)
 片桐さんが『宇宙海賊、クリムゾン・メサイア!』と言ってポーズを決めて(テレビアニメのアイキャッチっぽい)、『メザイアメサイアメサイア.........』と会場がエコーに包まれた時は椅子から転げ落ちそうになりました。
 最初のコントでコバケンが床を歩いた時にはアハ体験に似た物を感じました。TRに出演した時言ってた『誰もやってないけど、やっちゃいけないとは誰も言っていない』ってヤツなんだろうか。

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